「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。
先日は知らせていただいたosakaウルトラマラソン(参考記事:osakaウルトラマラソン)。
最近は自分の大会もなかなかないので、久しぶりに「激闘編」スタイルで書いてみます。熱量の加減を忘れそうで(笑)
当日朝
7時スタート出来るように来てくれという事だったので6時30分くらいに到着出来るイメージで準備。
4時くらいに起床、朝食はお決まりのおにぎりとうどん(さらに餅投入)でがっつりエネルギー補給。それでも絶対に足りないのだ。
ウルトラとは恐ろしい競技である。
朝の電車の本数の少なさ、乗り継ぎの悪さが予想していた以上で、普段ならホーム移動をしたらすぐに乗れる電車も駅にて10分以上待ちが出る。
到着が予定より遅れることが確定だったが、駅の待ち時間を利用して更衣を済ませ、脱げば走れる段階まで進めておいた。ついでに用も足せた。
時間の有効活用で、余裕が出来た。
現地に到着し、のんびりと写真を撮ったりもう一人のゲストランナーの松井さん(顔見知り)と運営の方に挨拶をしていたら、もう競技説明が始まっているではないの!
慌てて上着を脱いで、ゲストとして参加ランナーに向けて一言お伝えする機会を頂戴しました。
「単調なコースだけれど、すれ違いでエールを送って皆でゴールを目指そう!」というようなことをお伝え。
(自分にも元気が必要ですしね)
荷物預けの袋に強引にバッグと脱いだ服を詰め込み、スタート前の集合写真へダッシュ!(こんなことに脚を使うな)
さらに自分のカメラでも…

めっちゃブレとる。
気持ちの昂りということにしておいてやろう。
レーススタート
そんなバタバタからのスタート。

スタート直後の様子です。
走りながら動画アップするとか撮影するとか余裕ぶっこいてる「演技」をしました(笑)
正直なところ不安だらけ。
というのも6月にアキレス腱の調子を悪くしてから、9月まで仕事で走る以外の自分のトレーニングはほぼ出来ない状態。月間走行距離は7月23km、8月39km。
9月にようやく状態が戻ってきて89km、10月に207km。
つまり走り込みもウルトラの練習も全くできていない状態。
それでも、今出来る最高の走りを出したいと思い、設定を10時間前後に。
情けない走りになったとしても全力でぶつかる姿だけは出したい。
1km5分40秒くらいで入る。
ペースを意識したというより、これくらいが「ハマった」のだ。
序盤は落ち着いて入って中盤攻めて、後半粘る作戦。
たまたま同じくらいのペースだったトレイルを良くされているという参加者に話しかけられ、しばらくお話をしながら進む。
快調である。
余裕のあるうちにコースの特長も掴んでおくため、ポイントを覚えながら歩を進める。
エイドには序盤からジェルなども置いてあったので、適宜とりながら。

10km過ぎたころにトイレへ。(ここで話していたランナーは前へ行ってしまった)
寒さのせいでちょっと近い。走っているのに身体は温まらないが、これはいつものことだから特に気にしない。
尿意があるときは身体が危険ではないので、逆に安全のサインだと割り切って進む。
しかしここまで近いとビビる。
25kmが1周回なのだが、10km過ぎで行ってから1周の間に4回。
私は何を出しているのだろう?(笑)
1週戻ったところで、ちょうど50kmの部がスタートだったので運営の方にマイクを手渡される。
走りながらエールを送って、再びコースへ。役目果たせたかな。
トイレに大幅にペースを乱されながらも走行スピードは維持している。
2周回目に入るとトイレも少なくなり(当然か)、ようやくリズムに乗る。30kmで2時間55分くらい。想定より遅いが特に気にするほどでもないし、脚も問題ない。むしろ調子がいいくらいだ。
後からスタートした100kmの第2ウェーブ、71kmの部、60kmの部などとすれ違いも出来て、気持ち的にも張りが出てくる。
ところが35kmを過ぎたところで最初の異変に襲われる。
眠い。
突然の猛烈な眠気である。
前夜はゆっくり眠れていた。ただ11月は休みが2日しかないという粗すぎるスケジュールを組んだダメージで最近寝落ちがひどかったのだ。疲労が抜けてなかったのかもしれない。
もはや蛇行しそうなくらい眠い。時折瞼を閉じて走ったほどだ。
何なら一回横になろうかというほどの眠さ。アワイチの時の深夜くらい眠かった。
ペースがガクッと落ちる。(6分15秒/kmくらいになっていた)
この状態は長くは続かないはずと信じ、しばらく進む。それでもエイドで食べてもなかなか眠気は覚めない。
そのまま10kmほど経過。
「2周でやめようか」
一瞬頭をよぎった。
「いや、お前ゲストランナーやん。走らせてもらっといて、そんなんでいいの?」
いろんな意味で目覚めた。
たまたま序盤に併走をしていたランナーの背中も遠くに近づいてきた。
ここで攻めないで何しにきたのか。
奮い立たせる。
とにかく一旦攻めよう。
50km地点を4時間58分くらいとほぼキロ6ペースになっていたが、ここからペースを一気に戻す。
向かい風はピッチで乗り越え、追い風の部分で勢いに乗る。
概ね5分30秒~45秒くらいまで回復。
3周回目はこのまま攻め続けることにした。いただいたコーラも背中を押す。
動けるようになって、楽しさが増してきた。
「やっぱりウルトラはこうじゃないと!」
しんどいのは当たり前である。
でもペースを落としてもしんどいのは変わらない。だったらダラダラ行くより攻めた方が楽しいだろう。
何より苦しさを越えたところに楽しさがあるのだ(と思う)。
心拍もまだ140台、呼吸も余裕、脚は少し疲れてきたが、まだ動く。
3周回目が終わる(75km)と7時間25分くらいだった。5分の余裕がある。動けるこの状態なら9時間台で問題なくゴールできるなと思い始めた。
最終周回では各エイド、分岐にいるスタッフに「長い時間ありがとう」と感謝を伝えながら進んだ。
ところが2番目の誤算が。
エイドにあるはずのジェルが品切れなのか、ボランティアさんが追いついていないのか補給がされていない(しかもスタッフ不在)。
食べ物がない…
絶望と空腹感が襲ってくる。
幸い脚は進む。とりあえず後半のエイドにはパンがあるはず。切り替えて、それを目指して進むことにした。
さらに83km過ぎで、3番目の誤算が!!
(どんだけ誤算があんねん。見積甘いだけじゃん。)
河川敷は当然いろんな人がいるわけで、小さな子どもが自転車で飛び出してきたのだ。
私は咄嗟に避けて衝突は免れた。
痛っ!!
着地の瞬間に左の股関節に鋭い痛みが。
「やっちまったかも…」
少し立ち止まり、様子を伺い、いろんな角度に動かしてみる。
とりあえず骨ではなさそうな気がする。違和感はあるが接地に工夫をすれば走れなくはない。
残りは15kmくらいだし、時間にも余裕があるからとりあえずゴールは目指そうと大きく下方修正。
先ほど感じた空腹感も相まって、なかなかの進みの悪さ。ハンガーノックに脚のアクシデント。
サブ10チャレンジは終わった。
でもレースは終わってない。
4時くらいになると日も傾きはじめ、体感気温も下がり始めてきた。
風も強くなってきたように感じた(気のせいかも)。
あんぱんを食べ、塩ジェルを飲み、とにかく栄養補給。
スタッフやすれ違うランナーに精神的なエネルギーももらいながら進む。
股関節はスピードに乗ると痛みを感じるので、その都度立ち止まり少しほぐして再度慎重にスタートしてやや加速ということを繰り返していた。
とりあえず「完走」だけはするのだ。
残り5kmはもう完全にLSD。でも進めていることに自分でも少し驚く。
月間100kmにも満たない状態から1日で100km走り切れる状態になったんだと少し嬉しくなった。
そして無事に(?)ゴール!

完走を果たした男の背中を見よ(笑)
久しぶりに走ったが、ウルトラは長かった。
こんなんだったなぁと再実感をする10時間17分の旅。
スタッフ・ボランティアのサポート、ランナー同士のエール、通りすがりの人の応援。
その一つ一つがありがたかった。
本当に感謝です。そしてこんな経験をさせてくださった運営に感謝。
ありがとうございました!
楽しかった。
結局はこの一言。
かつてない地獄
ゴール後、温かいどん兵衛(うどん)やスープなどがあったので、うどんをいただいた。

超絶染みわたる。
うますぎる。
この後地獄を見た。
先に痛めた股関節が激痛になったのだ。動きを止めて冷えたのが原因の一つかもしれない。
もはや歩けない、しゃがめない、着替えられない。こんな経験は初ウルトラでもなかった。全身痙攣をしたレースでもこんなダメージはなかった。
先の背中の画像を撮ってもらうのにも実は数分かかっている。
冷えるから着替えたいが痛みで脱げない。
結局座るまでに5分以上、着替え終わって会場を動くのに30分近くかかった。
会場にいる運営スタッフにお礼を伝え、駅に向かう。
駅までも苦行。
普通に歩けば5分の距離が、ウルトラの100kmほどと同じほどの距離に感じる。
横断歩道を青信号で渡り切れないかもしれないという不安がよぎる。
タイミングを見計らい、フルタイムで使えるよう信号をスタート(笑)
何とか無事にゴールした(渡りきれた)が、途中で立ち往生をする高齢者などの気持ちが少しわかった。
結局27分ほどかかってようやく駅へ。
帰路は本当に長く感じた。
帰宅して、状態を確認し、やはり筋肉系であろうと推察。
出来る限りのケアを施した結果、翌日には動けるようになりました。
当日ご心配をおかけした方、申し訳ございません。
次回同じような機会をいただけるなら、もっと力を与えられる存在になって戻ってきたいと思います。
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