ヒントがある。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

陸上競技のホクレンディスタンスチャレンジ。トラックの中長距離シリーズとして今年は全4戦で行われました。

 

全体を見てみると好記録が連発。大会を待ちわびていた選手たちの気持ちが形になって表れたのでしょうか。

男子3000m障害は三浦龍司選手が日本歴代2位(20歳未満の日本記録!)。男子5000mでは石田洸介選手が高校生記録を出しました。遠藤日向選手も自己記録を約9秒更新し歴代7位の好記録。この次元で9秒ってとんでもない…
吉居大和選手も5000mで20歳未満の日本記録。男子ハーフマラソンの日本記録保持者小椋裕介選手も5000mで自己新を約13秒も更新。先日はマラソン代表の服部勇馬選手も10000mで12秒ほど自己記録を伸ばしました。

 

女子では、5000mでマラソン代表でもある一山麻緒選手が日本歴代8位。ちなみに先日の10000mでも自己ベスト更新をしていました。さらに同じくマラソン代表の前田穂南選手も自己ベスト。3000mの卜部蘭選手は前年800、1500mの2冠を達成したスピードランナーですが、こちらも約15秒も記録を更新。同レースでは新谷仁美選手も自己新。
田中希実選手は記録更新こそならなかったものの高い次元でのパフォーマンスを維持し1着(参考記事:いよいよ本物)。この1か月で800mから5000mまで日本記録更新を含む素晴らしい記録を連発しています。

 

目立ったところ(知名度の高い)ものだけでもこれだけの記録ラッシュ。大会の特色から記録は出やすいとはされていますが、今年だけの取り組みではないのです。今年〇年ぶりという記録が連発したのには、良くも悪くも新型コロナウイルスの影響が多少はある気がしています。

 

調整の変化

好記録の理由の一つは、選手のモチベーションも考えられます。先に触れたように大会に出たくても出られなかった状況の中で、ようやく練習の成果を発揮できる場所が与えられたのです。思い入れも強くなったのではないでしょうか。

 

メンタル面だけじゃなく物理的にも理由があると考えます。新型コロナウイルスの影響で、大会が中止になったり活動に制限が出たりしたのは触れるまでもありません。
選手も「今までの」練習は思い通りに出来なかったことでしょう。調整方法にも変化を余儀なくされたはず。

 

それでいて多くの選手が自身の記録を更新するケースが多かったわけです。ここにヒントが隠れていると思います。

記録が出るかどうかには気候の影響もありますが、10年以上毎年コンディションに恵まれなかったということはありません。10年以上ぶりという記録が出たことは、取り組みの変化によってパフォーマンスの向上に繋がった可能性もあります。

 

所属チームが出場する大会に「出場しなければならない」という状況がなく、選手自身が調子を合わせやすかったのもあるかもしれません。
自由なトレーニングができない中で、普段とは違う取り組みをして結果に繋げた選手もいるでしょう。練習の中身(質)や調整の方法は結果と関係することは誰もがわかっていることです。 

 

これだけ良い記録がたくさん出たという事実がデータとして残ったわけです。そこに向けて行ったトレーニングや調整方法は今後に生かすべきではないでしょうか。(もちろんそこにはシューズの進化などもあるでしょうけれど)
もし来年以降、今までのような大会が自由に開催できる状況になったとしても、このデータを生かしたものに発展させていければ世界で戦える日本選手が出てくるかもしれません。

 

 

これは高い次元で起こっていることですが、我々市民ランナーにも言えることです。
大会がなく、練習するにしても普段とは違う練習内容になっていると思います。中には外で走ることが難しくなっているケースもあるでしょう。

でも、出来ることはある。

 

それを探し、先を見据えてこなしていく。

この積み重ねが結果として繋がってくるのだと思います。気持ち的に腐ってモチベーションも、今まで培ってきた能力も崩してしまうのはもったいない。
あなたも今出来ることを探してやってみてください。