もっと早くに。

「理想の姿」に向かって共に歩むパーソナルトレーナー、相支走愛(神戸)の野見山健治です。

 

来年に迫った東京オリンピック。競技によっては周辺の地域で実施されるものもありますが、東京を中心に競技が行われます。マラソンや競歩も然り。

 

ところが、IOC(国際オリンピック委員会)から猛暑対策としてマラソンや競歩という長時間屋外で実施する競技について、東京ではなく比較的気温の低い札幌開催を提案したというのです。

 

私の個人的な見解としては、変更は賛成。
というのも、選手にとって安全面でのリスクを極力無くし、最高のパフォーマンスを発揮できる環境であるべきだと思うからです。開催時期や会場の選定を柔軟性を持って行うというのは、気候の不安定さが増してきている昨今では今まで以上に大事になってくるはず。

 

ただ時期的には「今更?」と疑問です。

この決定にはバッハ会長の強い意向が含まれているとされており、変更は避けられないという見方があります。
先日ドーハで開催された世界陸上では、マラソン・競歩は過去に例のない深夜スタートで実施(参考記事:過去にない試み)。それでも女子マラソンでは完走率58.8%という数字で、その過酷さが話題になっていました。

この結果を受けてそのような案を出したのでしょうが、この提案を出来るのは元競技者でもあるバッハ会長が選手のことを考えてくれたのであれば納得ではあります。

 

 

でも、8月の東京が暑いことは開催地決定の段階ですでにわかっていたこと。他競技で水質やら移動の便なども考えて東京以外を選定していた事実もあるのですから、その段階でこの話もしていてほしかった。

 

選手はそのコースに向けて準備を進めていたわけですし、開催地の東京も路面を改善したり、実施時間を早朝にするなど決められた枠の中では出来ることは行ってきたのです。決定ではないにせよ、「おいおい、いまさらかよ!」と感じるのは本音でしょう。

 

そして、先月東京開催の前提でそれに近いコース設定で行われたMGC(参考記事:アツイ戦い)。

その意味がなくなるわけではありませんが、本番を想定したレースということでこの時期・コースで行われたわけです。
仮に北海道開催が候補として挙がっていてMGCが札幌で行われていたら、違う選手が内定を取っていた可能性も大いにあります。
数年かけての強化計画の一環として行われたという背景がある以上、この段階での提案はその計画から見ると残念ではあります。

 

選手や観客の安全を考えたら仕方のない事ですが。

 

 

まだ確定ではありませんが、そこまで考えた早い段階での決定を今後はしてほしい。

 

というか、夏場は全世界的に異常な暑さが見られているのです。7~8月の北半球なんぞ暑いことはわかっているわけです。時期や場所という大前提から見直すことも必要なのかもしれません。